【木曽漆器】漆の魅力に触れてもらいながら歴史を伝え続けていく

丈夫で美しいのが特徴とされる木曽漆器。木が多く取れる環境を活かし、お盆や椀、箸、重箱など実用品を中心に作られ、長野オリンピックではメダルにも用いられた。今回は、その漆器作りに欠かせない道具を日本で最も多く集め、漆器の文化を継承することを目的に作られた木曽漆器館にて、木曽漆器について伺った。

農地に乏しかったからこそ生まれた地域の名産品

長野県塩尻市南部の楢川地区を中心に栄えた木曽漆器。農地には乏しかったが、森林資源が豊富だったことから木工品が作られ、18世紀中頃から櫛を始めとした漆製品が作られるようになったそうだ。江戸と京都を結ぶ中山道にあったことから、旅人の土産物として人気が上がり、明治時代には錆土も発見されている。それをきっかけとし、新たな技術の開発・普及が進み、発展した。

しかし、次第に漆器作りに必要な道具の作り手が減り、このままでは漆器作りの文化が失われてしまうのではないか、という危機感から、漆作りに使われてきた様々な用具・作品を集めた木曽漆器館が作られた。館内は3700点以上の用具が展示され、行商人がどのようにして木曽漆器を売り歩いていたのかなど、漆器作りの始まりと発展の様子を垣間見ることが出来る。

代表的な技法の一つである木曽堆朱塗では、下地の上に幾層もの色漆を塗り重ね研ぎ出すことで、美しい斑模様を表現している。

漆が取れる地域ではなかったため、漆は他の地域から仕入れ独自の技術で発展してきた木曽漆器。生活スタイルの変化とともに漆器自体が手に取る機会が減ってきた。そのため、少しでも多くの人に身近に感じてほしいと、小中学校を中心に漆を使った塗り箸絵付け体験を行ったり、講座を開いたり、漆器作りを通じて漆製品を手軽に使ってもらう工夫をしているそうだ。また普段から使ってもらえるようにと、小学校の給食で使う食器に木曽漆器を提供しており、地域一丸となって文化の継承に力を入れている。

作品だけでなく漆製品がどのようにして作られていたのか、歴史や過程も楽しみつつ、人間国宝の作品も見られる木曽漆器館。丁寧に研ぎ出された木曽漆器は、古くに作られたものでも、現在でも美しく輝いている。

取材先

木曽漆器館

塩尻市大字木曽平沢2324-150
JR中央本線木曽平沢駅から徒歩7分
入館料:個人:300円 中学生以下のこどもは無料

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JapanMade編集部

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